「お譲ちゃん〜、楽しませるからよォ〜」
「い、いや、」
「ちょっとだけ!な?」
「(何が「な?」だッ)だから・・・身体とか、全然」
「女は口ごたえしんと、なされときゃいいんだよ〜」
「・・・だから、俺は、男だッてェのッッ!!」
ダ ウ ト ! 其の壱! 天パに悪いヤツはいないが、童顔に悪いヤツもいないよ、きっと。
天に響いたのは、轟音。
何もかもが砕け散る、すさまじさを持っていた。
その轟音を合図に、夜明け近いかぶき町で武装警察が暴れだした。
「御用改めである!さっさとソイツを放して、御縄になりやがれェッ!!!」
士気は高い。
先ほどの轟音にも勝るほどに荒げた声が、かぶき町を満たした。
さてさて。
そろそろこの物語の主人公を紹介しなければならない。
つか、早く紹介しないと、物語進まねーしな。
主人公、名を、という。
沖田総悟率いる一番隊の隊員にして剣の腕は副長と互角、
口先では「だるい・・・」などと抜かしつつも、実は熱心に仕事をこなす、心優しき青年だ。
真撰組の連中にも人気者で、ま、いわゆる好青年だ。
だがしかし、そんな彼にはある悩みがあった。
それは─────童顔だということ。
歳は19歳、の筈なのだが
童顔のせいで、総悟と一緒にいると「若いっていいわねー、同い年?」なんてこともしばしばある。
そして、童顔+女顔なせいもあって、女装をすれば、そんじょそこらの遊女にだって引けをとらないくらい艶かしい。
そこは19歳の所以か。
・・・とりあえず、そんなもんだから、女装して潜入捜査させられたり、隊員どもの目の保養にされたりと、大変な人生の真っ只中なのである。
紹介終わり。
「はぁぁー・・・ったく、なんでオレばっかりさァー・・・」
「いけませんぜさん、女装してんだからそんな言葉使っちゃ」
「何言ってんだ総悟。もう潜入捜査は終わったんだよ・・・つか、脱ぎたくても脱げねェの」
「そうですかィ、じゃあ俺が手伝ってやりま「いやいい遠慮しとくオマエにやらせるといろいろヤられそうだ」なんだィ勿体無い」
何が勿体無いだ!と少々キレ気味のを目で促しながら、車は屯所の前に着いた。
「おかえりなせェ!さん!沖田隊長!」
「・・・オイオイ、何だこのヤクザ的なノリは。」
頭を抱えながら呟く。
総悟は、特に顔色も変えずに自室へ向かって歩き出す。
つられる様にも足を進めると、玄関の方から誰かが走ってきた。
「おかえりなさい!さん、沖田隊長」
「あぁ、山崎じゃん。・・・あ、そうだ、この着物、脱ぐの一人じゃ無理だから、手伝ってくれや」
「えぇ!?」
心底驚いたようにそういうと、顔がどんどん赤らめていく。
「・・・イヤ、なんでそこで赤面?・・・まさかお前、総悟と同類か?!」
「うわー、ソレかなり傷つきますぜェ」
「ち、違いますよ!俺はただ、これはお誘いなのかt「てめーも一緒だったみたいだなァ!!!」」
口元をひくつかせながらそういうと、溜息をひとつ吐く。
「しゃーねェなァ・・・からかいがてら、副長にでもやらせっかァ」
黒い。
それは総悟には劣るものの、それはそれは大層黒いお顔でした。
「さん?!ちょ、副長はさすがにヤバイって!」
「いや、大丈夫そうだよ?前に女装したときも脱がせにいったら、瞳孔ひらきっぱなしだったし・・・」
「それ元から!!もう手遅れなんだって瞳孔は!!!」
「・・・誰が、手遅れだってェ・・・?」
ゆらっと現れた副長こと土方は、血管を浮き上がらせながら山崎の服を掴んだ。
「ザキァァァァァァァ!!!てめー明日から仕事はないと思えェェェェ!!!!」
「えええええ?!何そのリストラギリギリの社員みたいな言い回し?!うれしいのか?これはサボれてうれしいのかァァ??!!」
ゲシゲシと馬乗りになって殴りかかる土方を横目に、総悟はに向かって言う。
「別に土方さんにやらせなくても、侍女がいるんじゃねェですかィ?」
「・・・・・・・・・・あ、そっか」
今だ殴り続けている土方を右から左へ受け流しながら、呟く。
「そーじゃんか。サンキュー総悟!」
ニコ、と笑いながらそういうと、屯所の中に消えていく。
総悟は呆れた様に笑うと、振り向き、2人に向かって言い放つ。
「そろそろいい加減にしてくれませんかねェ?こちとら任務疲れでイライラしてんでさァ・・・・・絞めるぞ?」
「「すいません」」
まさに鶴の一声というところか。
何事もなかったかのように屯所に戻る3人。
はたから見れば、ただイタイだけのトリオだというのに。
To be continued.......
(Cyd : ダウト!アンタ、今騙そうとしただろ?)